話をすると、驚くほど理解している。説明がまだ半分なのに、先が読めている。それなのに、持ち物がそろわない。 簡単なプリントが終わらない。知っているはずのことが、テストでは出てこない。
この差を前にすると、まず疑われるのは「気持ち」のほうです。やる気がない、集中していない、本当はできるのにやっていないだけ。そう言われて、親としても「どう声をかければいいのか」と迷った経験がある方は多いのではないでしょうか。
この記事では、そんな「わかっているのに、できない」を一つずつ見ていく本、『「わかっているのに」なぜできないのか――発達障害・ギフテッド・2Eの子の「わかる」と「できる」のあいだ』を紹介します。
ギフテッドの子の「わかる」から「できる」までには、いくつもの仕事がある
本書の出発点は、「わかる」と「できる」は同じことではない、という見方です。
理解してから結果が出るまでの間には、次のような仕事があります。
- 覚えておく
- 必要なものを選ぶ
- 必要なときに思い出す
- 順番を決める
- 手を動かす、文字にする
- 終わりまで持っていく
このうちどこで止まっても、外から見える結果は同じ「できなかった」です。だから「やる気がない」のように見えても、中では別のことが起きているかもしれません。本書は、その「どこで止まっているか」を見る場所を増やすための本です。
ギフテッド・2Eの子の家庭でよく聞く7つの「止まる場所」
各章は、家庭でよく聞く困りごと一つから始まります。そのあとで、その困りごとが「どこで起きているのか」を、研究で分かっていることに沿って見ていきます。
- さっき言ったのに忘れる
- わかっているのに、とにかく遅い
- 好きなことには何時間でも集中できるのに?
- 知っているはずなのに、出てこない
- 頭の中にはあるのに、書くと消える
- 難しいことはできるのに、なぜこんなことで止まるの?
- 昨日はできたのに、今日はできない
「うちの子はこれだ」と思う項目が一つでもあれば、その章から読めます。読む順番はどこからでも構いません。
ギフテッド・2E・発達障害を診断名ではなく「止まる場所」で分ける
本書の章立ては、診断名では分けていません。ADHD、LD、ギフテッドといった言葉で分けるのではなく、「覚えながら使うところ」「速さ」「注意」「思い出すところ」「書く・話すという出口」といった、止まる場所で分けています。
そのため、診断がついているお子さんにも、まだついていないお子さんにも、これから受けるか迷っているご家庭にも、同じ形で読めるようにしました。補章では「2Eと発達障害は、どう違うのか」という言葉の整理も扱っています。
なお、本書は子どもに名前をつけるための本ではありません。診断をつけられるのは医師だけで、この本は診断の代わりにはなりません。「わが子の説明書」ではなく、「見る場所を増やすための地図」として読んでいただければと思います。
図解つき・研究20本の日本語解説つき
各章には図解がついています。文章だけだと伝わりにくい「どこで止まっているのか」を、絵で追えるようにしました。また、参考にした研究20本は、日本語の説明をつけて巻末にまとめています。気になった話を、自分で確かめたいときの手がかりにしてください。
ただし、研究で分かっていることは、多くの子どもを平均した話です。目の前のお子さんにそのまま当てはまるとは限らない、という注意も本の中に書いています。
読んだ方への無料プレゼント『どこで止まっているか 観察シート』
本を読んでくださった方には、家庭で使える『どこで止まっているか 観察シート』(PDF)を無料でお渡ししています。本文で見てきた7つの場所を、そのままご家庭で見られるようにしたシートです。メールアドレスの登録は必要ありません。
本の情報
- 書名:『「わかっているのに」なぜできないのか』
- 副題:発達障害・ギフテッド・2Eの子の「わかる」と「できる」のあいだ
- 著者:mina
- 形式:Kindle版(電子書籍)/価格 ¥980/Kindle Unlimited 対象
同じ著者の本は、本のご案内にまとめています。「どう受けとっているか」を扱った『ギフテッドは世界をどう見ているのか』と合わせて読むと、「入口」と「出口」の両方から子どもを見られます。
