不登校7つのステップって、具体的に何を指しているのか分かりにくいですよね。
私自身、2人の子どもが不登校になったときに、不登校回復プロセスをできるだけシンプルに整理して、「今はどの段階なんだろう?」と何度も照らし合わせてきました。
不登校支援の情報はたくさんありますが、実際に我が子が朝動けない姿を目の前にすると、「うちの子の場合はどうしたらいいの?」と分からなくなってしまうことも多いですよね。このページでは、私が親として試行錯誤してきた経験と、いろいろな専門機関の考え方をヒントにしながら、不登校7つのステップを家庭でどう活かせるのかを、できるだけやさしい言葉でまとめていきます。
肩の力を抜いて読み進めてもらえたらうれしいです。
- 不登校7つのステップと不登校7段階の全体像がつかめる
- 各ステップで親がしやすい関わり方とNG行動が分かる
- タイプ別の傾向や学年別に意識したいポイントを整理できる
- これからの進路や支援先を考えるときのヒントが得られる

不登校7つのステップを理解する要点
まずは、不登校7つのステップや不登校7段階と呼ばれる回復プロセスの全体像を整理していきます。そのうえで、親としてどんな対応がしやすくて、何をすると子どもの負担が大きくなりやすいのかを、段階別にイメージできるようにお話ししていきますね。
不登校回復7段階と親の対応
不登校7つのステップと言われるものは、言葉や名前は少しずつ違っても、大きくは「予兆期」「完全に行けない時期」「少しずつ動き出す時期」「社会に戻っていく時期」という流れで説明されることが多いです。
よく紹介される不登校7段階のイメージは、ざっくりまとめると次のような流れです。
よくある不登校7つのステップの流れ
- 不登校の予兆期:イライラや体調不良、行き渋りが増える
- 不登校開始期:遅刻・早退・欠席が続き、朝のバトルが増える
- 完全不登校期:ほとんど学校に行けず、家中心の生活になる
- 不登校定着期:家での生活パターンができ、外との接点が減る
- 活動再発期:笑顔や会話が少しずつ増え、興味も戻り始める
- リハビリ期:別室登校やフリースクールなど、外の場に挑戦する
- 完全登校・社会復帰期:その子なりのペースで社会参加が続く
実際のところ、この不登校回復ステップは教科書のようにきれいに進むわけではありません。行けるようになったと思ったらまた休む、元気に見える日と一歩も動けない日が交互に来る、ということも多いです。うちの子どもたちも、3歩進んで2歩下がるどころか、3歩進んで4歩下がるような時期もありました。
だからこそ、親の対応として意識したいのは、「今はどの段階かをざっくりと把握する」「その段階に合わない期待をかけすぎない」の2つかなと思っています。例えば、完全不登校期にいる子に向かって、毎朝「そろそろ行けるでしょ?」と声をかけ続けると、子どもから見れば常にテストされているような感覚になってしまいます。
段階モデルは「診断」ではなく目安
不登校7つのステップはあくまで目安であって、子どもの状態をラベル付けするためのものではありません。実際の経過は一人ひとり違いますし、同じ子でも時期によって様子がガラッと変わります。「だいたい今はエネルギー補充が必要なんだな」「そろそろ外への興味が少し出てきたかな」くらいの、ゆるい見取り図として使うのがおすすめです。
不登校親の対応やNG行動
不登校7つのステップを知ったときに、多くの親が最初に気になるのは「私の対応が正しかったのか」「もしかして私のせい?」というところではないでしょうか。私も毎晩のように、あのとき叱らなければ、無理して登校させなければよかった、と自分を責めていました。
いろいろな支援者の言葉や、同じ立場の保護者の話を聞いていく中で、段階を問わず共通して「やってよかったこと」と「なるべく避けたいこと」が少しずつ見えてきました。
不登校親の対応で「やってよかった」と感じたこと
- 学校を休んでもいいよ、と伝えたこと
- 「つらかったね」「朝、よく教えてくれたね」とねぎらいの言葉をかけたこと
- 原因を追及するのではなく、「今どんな気持ち?」と聞くように意識したこと
- 生活リズムを整えることは意識しつつも、完璧を求めすぎなかったこと
- 親自身の気持ちを、支援機関や親の会で聞いてもらったこと
逆に、振り返って「これは子どもを追い詰めてしまっていたのかもしれないな」と思うのは、次のようなNG対応でした。
できれば避けたいNG対応の例
- 「何が嫌なの?」「このままだと将来困るよ」と不安をぶつける
- 兄弟や周りの子と比べて、「みんな行っているのに」と言ってしまう
- 親が焦るあまり、毎日のように「明日は行けそう?」と確認する
- 相談相手がいないまま、親一人で抱え込んで限界まで我慢する
どれも、私がやってしまったことばかりです。大事なのは、完璧な親になることではなく、「あ、これは子どもにはきつかったかも」と気づいたときに、ちょっとずつ関わり方を変えていくことかなと今は感じています。
親の対応だけで不登校のすべてが決まるわけではありません。不登校親の対応は、不登校支援の一部であって、原因のすべてでも、解決のすべてでもないはずです。だからこそ、「親ができること」と「親だけでは難しいこと」を分けながら、一緒に進んでいけるといいのかなと思っています。

不登校タイプ別チェック要点
不登校7つのステップと同じくらい、「不登校7つのタイプ」という考え方もよく取り上げられます。母子分離不安タイプ、情緒混乱タイプ、無気力タイプ、人間関係タイプ、発達特性を伴うタイプなど、名前はサイトによって少しずつ違いますが、傾向をざっくり把握するには参考になる部分もあります。
私の場合は、上の子と下の子で不登校の背景がまったく違いました。下の子は人間関係が中心で、上の子は感覚の過敏さや完璧主義が強く影響していました。同じ兄弟でも、不登校タイプ別に見ていくと関わり方のヒントが変わってくるんだなと実感した場面も多かったです。
タイプ別にチェックしてみたいポイント
- 朝になるとお腹が痛くなる、頭が痛くなるなど、身体症状が目立つか
- 学校に行けないことに罪悪感が強いか、あまり感じていないように見えるか
- 家ではよく話すのに、学校の話になると急に口数が減るか
- ゲームや動画に没頭しているときの表情が、生き生きしているかどうか
- きっかけになった出来事(先生、友達、成績、いじめなど)があるか
こうしたチェックをしていくと、「うちの子は完全にこのタイプ!」と決めるというより、「この部分は母子分離不安の要素が強そう」「ここは無気力タイプに近いかも」と、モザイクのように見えてくることが多いです。どのタイプであっても、共通して大切なのは「安心できる場所で、自分の気持ちを少しずつ言葉にできること」だと感じています。
不登校の背景や段階をもっと丁寧に整理したいときは、同じサイト内の不登校の4つの段階を全体像で解説している記事も、あわせて読んでもらえるとイメージがつかみやすいかなと思います。
不登校回復プロセス支援方法
不登校回復プロセスを支える方法は、本当にいろいろあります。学校の中だけで完結する支援もあれば、地域のフリースクールやオンライン学習、在宅での学びなど、選択肢は年々増えていると感じます。とはいえ、実際に親として動き出すとなると、「どこから手をつければいいの?」という気持ちになりますよね。
私が大事にしてきたのは、次の3つの軸でした。
不登校回復プロセスを支える3つの軸
- 家庭の中で安心して過ごせる時間と場所を確保する
- 学校と連絡を取りつつ、無理のない形での関わり方を相談する
- 学校外の支援(フリースクール、オンライン、カウンセリングなど)を少しずつ探しておく
不登校支援というと、「何か特別なことをしなくては」と感じてしまいがちですが、最初のステップは家庭での安心感を整えることだと感じています。ここがぐらぐらしたまま外の支援だけを増やしても、子どもからすると「どこにも居場所がない」という感覚になりやすいからです。
一方で、親だけで抱え込むには限界もあります。学校の先生やスクールカウンセラー、児童相談所、医療機関など、公的な窓口を使うかどうか迷う方も多いと思いますが、状況によっては早めに専門家とつながっておいた方が安心なケースもあります。

支援先を選ぶときに気をつけたいこと
支援機関や民間サービスによって、関わり方や方針は本当にさまざまです。「必ず○ヶ月で復学できます」といった断定的な表現や、「親のやり方がすべて悪い」というような極端なメッセージには、少し距離を置いて様子を見てみるのも一つの方法です。
不登校回復ステップは「親だけでがんばるもの」でもなければ、「支援機関に丸投げすればOK」というものでもありません。家庭・学校・外部支援を、子どものペースに合わせて組み合わせていくことが、結果的にいちばん穏やかな回復につながるのかなと感じています。
不登校相談先や支援機関選び
不登校相談先を探し始めると、学校、教育委員会、児童相談所、発達相談、医療機関、民間カウンセリング、フリースクール、不登校専門塾など、本当にたくさんの選択肢が出てきます。私も最初は、「どこに何を相談したらいいのか分からない」というところで立ち止まっていました。
実際に動いてみて感じたのは、「今の不安をどこに話すと少し楽になりそうか」「この先の具体的な手続き(進級・単位・受験など)について、どこに聞くと安心できそうか」という観点で考えると整理しやすいということです。
主な相談先と期待できることのイメージ
- 学校・担任:出席扱い、課題の扱い、進級・進路の相談
- スクールカウンセラー:子どもや親の気持ちの整理、学校との橋渡し
- 医療機関(小児科・心療内科など):うつや不安、発達特性など専門的な評価と治療
- 民間のカウンセリングや親の会:同じ立場の人と話すことで、孤立感が和らぐ
- フリースクール・不登校専門塾:学校以外の居場所や学びの場を増やす
私の場合は、まず学校と話し合いながら、同時に地域の相談窓口と親の会に足を運ぶところから始めました。そこから、子どもの状態を見ながら医療機関やフリースクールを検討していった流れです。
長期化してきたときの進級や単位の不安については、同じサイト内の不登校90日以上の進級や単位の不安を解消する記事で、もう少し具体的に整理しています。数字だけを見ると余計に不安になることもあるので、必要なタイミングで、安心材料を増やす意味で読んでもらえたらうれしいです。
不登校7つのステップ実践ガイド
ここからは、不登校7つのステップを、日々の生活の中でどう実践していくかにフォーカスしていきます。親のメンタルケア、学びの選択肢、フリースクールなどの居場所、そして予防や早期対応の考え方まで、一緒に具体的に見ていきましょう。
不登校親のメンタルと支援
不登校親の対応を続けていくうえで、いちばんの土台になるのは、実は親自身のメンタルかもしれません。私も、子どもが不登校になった当初は、夜になるとスマホで不登校の情報を検索し続けて、気づいたら寝不足と不安でボロボロになっていました。
親の心がすり減っているとき、「子どもの話を受け止める」「優しく声をかける」といったことが、頭では分かっていてもどうしても難しくなりますよね。だからこそ、意識的に「親が一人で抱え込まない仕組み」を作っておくことが大切だと感じています。
親のメンタルを守るためにできること
- 週に一度でも、信頼できる友人や家族に愚痴を聞いてもらう時間を作る
- 自治体の相談窓口や親の会など、「ここに行けば話を聞いてもらえる場所」を確保する
- 「今日はこれだけできればOK」と、1日のハードルを下げてみる
- 情報収集の時間を決めて、それ以外の時間は好きなことをする
不登校支援に関する情報は、良くも悪くも感情を揺さぶるものが多いです。「この方法ならうちの子も変われるかも」と希望を持てる一方で、「私のやり方が間違っていたのかな」と落ち込んでしまうこともあります。どんな情報も、「今の自分と子どもにとって、これは役に立ちそうかな?」という視点でゆっくり選んでいきましょう。

不登校学習支援と選択肢
不登校7つのステップの中盤以降で必ず出てくるテーマが、「学習をどうするか」ですよね。私も、子どもが完全不登校期に入ったとき、「このまま勉強ゼロで大丈夫なのかな」「高校受験はどうなるんだろう」と毎日のように検索していました。
実際には、学習支援の選択肢はとても幅広く、子どもの状態や興味に合わせて、組み合わせながら考えていくことができます。
よくある学習支援の選択肢
- 自宅でのテキスト学習やオンライン教材
- 不登校に理解のある個別指導塾やオンライン家庭教師
- フリースクール内での学習時間
- 通信制高校やサポート校への進学・転校
- 高卒認定試験を目指すルート
大事なのは、「今はどの段階のステップにいるか」を踏まえながら、学習の負荷を調整することだと感じています。完全不登校期やエネルギー補充期にいる子に、いきなり受験レベルの勉強を求めると、心も体も追いつかなくなってしまうことが多いです。
一方で、回復期に入り、興味や集中力が少しずつ戻ってきたタイミングで、得意な教科や好きな分野からゆるく再開していくと、「できた」「分かった」という感覚が自己肯定感を支えてくれます。
不登校予防7ステップの実践
不登校7つのステップは、すでに不登校になっているお子さんの回復だけでなく、「これから長期化させないための予防」としても役立ちます。うちの場合も、下の子の不登校が始まりそうなとき、上の子での経験が少しだけ早めの対応につながったと感じている部分があります。
予防と言っても、「不登校をゼロにする魔法の方法」という意味ではありません。むしろ、不登校傾向や行き渋りが見えたときに、親と子どもが一緒にブレーキをかけられるような、ゆるやかな7ステップを意識しておくイメージです。
私なりの不登校予防ステップ
- 子どもの変化(表情・睡眠・食欲)に早めに気づく
- 「最近何をしている時が楽しい?」と、学校以外の話題から会話のきっかけを作る
- 家での安心・安全(怒鳴らない・比べない)を意識する
- 行き渋りが出たら、「休んでもいいよ」と選択肢を示す
- フリースクールやオンライン学習など、代替の選択肢を情報として持っておく
- 親自身の相談先もセットで確保しておく
このステップは、不登校予防ステップというより、「親子が一緒にブレーキをかけられるための小さな習慣」と捉えてもらえるとうれしいです。
不登校7つのステップ総まとめ
いちばん伝えたいのは、不登校7つのステップは、ゴールに向かって一直線に進むためのレールではないということです。行ったり来たりしながら、時には立ち止まりながら、それでも少しずつ「安心できる場所」と「やってみたいこと」が増えていけば、それだけで立派な前進だと私は思っています。
親としてできることは、完璧な対応を目指すことではありません。むしろ、「今日はここだけ意識してみよう」「この言い方はやめてみようかな」と、小さな一歩を積み重ねていくこと。その中で、学校や支援機関、同じ立場の仲間とつながりながら、不登校支援の輪を少しずつ広げていけたらいいなと感じています。
あなたとお子さんが、自分たちなりの回復ステップを歩んでいけるように、これからも一緒に考えていけたらと思います。
もし学習面で何から始めたらいいか迷っているなら、無学年式オンライン教材のすららも選択肢の一つかなと思います。我が子も「自分のペースで進められる」という点がすごく合っていました。また出席扱いについては、すららは不登校でも出席扱いになる?学校に認められるためのガイドでまとめているので、参考になるかもしれません。
