不登校児が増加している現代、多くの保護者や生徒が「この先どうしたらいいのだろう」「公立・私立の通常の学校ではもう続けられない」と悩んでいる方も多いと思います。そんなときに選択肢の一つとして注目されるのが不登校特例校です。この記事では不登校特例校 の特徴や選び方のポイントを徹底解説していきます。不登校特例校への進学を検討している方や、情報収集の段階にいる方の参考になれば嬉しいです。
この記事を読むとわかること👇
- 不登校特例校とは何か、特徴やメリット
- 不登校特例校 一覧と具体的な選び方のポイント
- 学費や卒業後の進路、実際の体験談・見学の活用法
不登校特例校は、通常の学習スタイルに馴染めず苦しんでいる生徒に特化した教育体制を整えているのが大きな特徴です。「もう学校には行けないかも」「通信制高校やフリースクールも検討したい」と思われる方にも、ぜひ最後までご覧いただきたいと思います。
不登校特例校 一覧 メリットと特徴を徹底解説
まずは、「不登校特例校 一覧」の前に、不登校特例校そのものがどういうものか理解しておきましょう。公立・私立・通信制など教育形態はさまざまですが、それぞれに特徴があり、学校によって学べる内容やサポート体制も異なります。ここでは不登校特例校が持つ大枠の概要と、そのメリットやデメリットを整理してみましょう。
不登校特例校の定義
不登校特例校とは、主に以下のような特徴を持つ教育機関を指します。
- 不登校の生徒を中心に受け入れるため、少人数制や個別指導が行き届きやすい
- 学習内容だけでなく、生徒の心のケアや社会性のサポートに重きを置く
- 文部科学省の指導要領に則ったカリキュラムを実施し、高卒資格を得られる場合が多い
- 従来の学校形式に捉われず、独自の学習プログラムや体験学習を取り入れている
法律上は「特例校」という名称がついているわけではなく、実態として不登校の生徒を積極的に受け入れている特別な教育を行う学校を便宜上「不登校特例校」と呼ぶケースが増えています。
不登校特例校が求められる背景
近年、不登校の小中学生や高校生が増加傾向にあります。その背景には、以下のような社会的・教育的要因が挙げられます。
- いじめや校内トラブル:クラス内外でのいじめやハラスメントなどにより、学校に行きづらくなるケースが多い
- 学習面でのつまずき:発達障害や学習障害を抱える生徒が、通常の学習ペースに追いつけず登校拒否になる
- 家庭環境の変化:親の仕事や経済状態、家庭内のトラブルなどが原因で登校意欲を失う
- 進学・受験競争のストレス:過度な受験勉強や学力至上主義の風潮が心身のバランスを崩す要因になる
不登校特例校は、こうした要因で学校生活に困難を抱えた生徒に寄り添い、一人ひとりにあった学習やケアを提供するために設置されています。
通常の学校との違い
不登校特例校は、一般的な公立・私立の中学校や高校とは大きく異なる特徴を持ちます。具体的には、以下のような点が挙げられます。
- 個別指導が中心:生徒の進度や得意・不得意科目に合わせて学習を進める
- カウンセリング体制の充実:スクールカウンセラーや専門のメンタルサポーターが常駐している
- 柔軟な時間割:登校時間や学習時間を自由に選択できる学校も多い
- 多彩な学習プログラム:職場体験や社会科見学など、実践的な体験学習を重視する
- 少人数のクラス編成:一人ひとりに目が行き届きやすい環境を整備
こうした特徴により、「人間関係のストレスが少ない」「自分のペースで学べる」「やりたいことを見つけられる」などの利点を得られるのが大きな魅力です。
主なメリット
不登校特例校には、以下のようなメリットがあります。
- 学習リズムを取り戻せる:通学日数や時間を柔軟に決められる場合が多い
- 自己肯定感の回復:少人数制や個別指導によって、生徒のペースで達成感を得やすい
- メンタルサポートが充実:専門家に相談しやすく、精神的な負担を軽減できる
- 将来の進路選択が広がる:専門科目や職業体験などで、興味や可能性を発掘できる
- 社会性の育成:年齢や学年を超えた共同作業やイベントが多く、コミュニケーション力を育む
通常の学校に適応できずに苦しんでいる生徒でも、新たな学習環境で前向きに取り組めるケースは少なくありません。
不登校特例校に通うデメリット・注意点
一方で、不登校特例校には下記のようなデメリットや注意点もあります。
- 学費が高額になる場合がある:学校によっては授業料やサポート費用が高め
- 学校数が限られている:地域によっては通える範囲に不登校特例校がない場合も
- 転入・編入時期の制限:学年途中で受け入れられないケースも存在
- 学校行事や部活動の規模が小さい:一般的な学校に比べて選択肢が少ない
- 本人と家族の適切な理解が不可欠:生徒自身のモチベーションと家庭のサポート体制が大きく影響
これらの点を十分に把握した上で、学校選びをすることが大切です。

不登校特例校 一覧と選び方のポイント
ここからは実際の「不登校特例校 一覧」と、学校を選ぶ際の注目ポイントをお伝えします。学校によって教育方針やカリキュラムは千差万別ですので、単純に“どの学校が一番良い”という話ではありません。生徒の個性や目標、家族のサポート体制に合った学校を見つけることが何より大事です。 詳しくはここから文部科学省👇

全国の不登校特例校一覧
実際には「不登校特例校」という名称を前面に出していない学校も含まれるため、広義の通信制高校やサポート校、フリースクールに近い機能を持つ学校もリストアップされます。以下に代表的な例をいくつか挙げます(※地域によって異なるため、必ず公式サイトや各自治体の情報を確認してください)
- 公立の通信制高校:全国各都道府県に1校以上設置されているケースが多い
- 私立通信制高校:学習センターが各地域に展開している大手通信制高校も多数
- フリースクール型の学習支援センター:地域密着で少人数制、心理面のサポートが充実
- サポート校:通信制高校と提携しており、通学型で対面授業やカウンセリングを行う
- 特例的に少人数クラスを運営している私立学校:不登校生徒に特化したコースを設置
公立の通信制高校や私立の通信制高校は、高等学校卒業資格を得られる可能性が高い一方で、フリースクールや学習支援センターは資格面での制限がある場合もあります。「卒業資格を取得したい」「補習重視」「大学進学を視野に入れている」など、目標に応じて選び方が変わってきます。
学校名 | 管理機関 | 所在地 | 開設日 |
---|---|---|---|
八王子市立高尾山学園小学部・中学部 | 八王子市教育委員会 | 東京都八王子市 | 平成16年4月 |
京都市立洛風中学校 | 京都市教育委員会 | 京都府京都市 | 平成16年10月 |
星槎中学校 | 学校法人国際学園 | 神奈川県横浜市 | 平成17年4月 |
鹿児島城西高等学校 普通科(ドリームコース) | 学校法人日章学園 | 鹿児島県日置市 | 平成18年4月 |
東京シューレ葛飾中学校 | 学校法人東京シューレ学園 | 東京都葛飾区 | 平成19年4月 |
京都市立洛友中学校 | 京都市教育委員会 | 京都府京都市 | 平成19年4月 |
NHK学園高等学校 | 学校法人NHK学園 | 東京都国立市 | 平成20年4月 |
星槎名古屋中学校 | 学校法人国際学園 | 愛知県名古屋市 | 平成24年4月 |
星槎もみじ中学校 | 学校法人国際学園 | 北海道札幌市 | 平成26年4月 |
西濃学園中学校 | 学校法人西濃学園 | 岐阜県揖斐郡 | 平成29年4月 |
調布市立第七中学校はしうち教室 | 調布市教育委員会 | 東京都調布市 | 平成30年4月 |
東京シューレ江戸川小学校 | 学校法人東京シューレ学園 | 東京都江戸川区 | 令和2年4月 |
福生市立福生第一中学校 | 福生市教育委員会 | 東京都福生市 | 令和2年4月 |
星槎高等学校 | 学校法人国際学園 | 神奈川県横浜市 | 平成18年4月(令和2年4月指定) |
岐阜市立草潤中学校 | 岐阜市教育委員会 | 岐阜県岐阜市 | 令和3年4月 |
大田区立御園中学校 | 大田区教育委員会 | 東京都大田区 | 令和3年4月 |
宮城県富谷市立富谷中学校 | 富谷市教育委員会 | 宮城県富谷市 | 令和4年4月 |
大和市立引地台中学校 | 大和市教育委員会 | 神奈川県大和市 | 令和4年4月 |
三豊市立高瀬中学校 | 三豊市教育委員会 | 香川県三豊市 | 令和4年4月 |
世田谷区立世田谷中学校 | 世田谷区教育委員会 | 東京都世田谷区 | 令和4年4月 |
白石市立白石南小学校・白石市立白石南中学校 | 白石市教育委員会 | 宮城県白石市 | 令和5年4月 |
大和郡山市立郡山北小学校 分教室「ASU」 | 大和郡山市教育委員会 | 奈良県大和郡山市 | 令和5年4月 |
大和郡山市立郡山中学校 分教室「ASU」 | 大和郡山市教育委員会 | 奈良県大和郡山市 | 令和5年4月 |
ろりぽっぷ学園小学校 | 学校法人ろりぽっぷ学園 | 宮城県仙台市 | 令和5年4月 |
東京みらい中学校 | 学校法人三幸学園 | 東京都足立区 | 令和6年4月 |
生野学園高等学校 | 学校法人生野学園 | 兵庫県朝来市 | 令和6年4月指定 |
大阪市立心和中学校 | 大阪市教育委員会 | 大阪府大阪市 | 令和6年4月 |
大田区立大森第四小学校学びの多様化学校 分教室みらい学園初等部 | 大田区教育委員会 | 東京都大田区 | 令和6年4月 |
大牟田市立宅峰中学校 ほしぞら分校 | 大牟田市教育委員会 | 福岡県大牟田市 | 令和6年4月 |
北方町立北学園 特例教室「オンリー1」 | 北方町教育委員会 | 岐阜県北方町 | 令和6年4月 |
精華高等学校普通科(フリーアカデミーコース) | 学校法人精華学園 | 大阪府堺市 | 令和6年4月指定 |
高山市立学びの多様化教室「にじ色」 | 高山市教育委員会 | 岐阜県高山市 | 令和6年4月 |
岡山県美作高等学校 普通科(Bloomコース) | 学校法人美作学園 | 岡山県津山市 | 令和6年4月指定 |
玖珠町立くす若草小中学校 | 玖珠町 |
学校選びの基準
不登校特例校を選ぶ際に注目しておきたい基準をまとめると、以下の通りです。
- 学習スタイル:通学主体か通信主体か、オンライン授業を取り入れているか
- カウンセリング体制:スクールカウンセラーや心理士の有無、頻度
- 校風や雰囲気:生徒間のコミュニケーションの取り方、イベントの多さ
- 場所(アクセス):自宅から通いやすいか、通学が負担にならないか
- 進路実績:卒業生の大学進学率や就職率はどうか
これらのポイントを事前にしっかりチェックしておくと、後悔の少ない学校選びがしやすくなります。

学費と経済的負担
不登校特例校では、カリキュラムやサポートに特化している分、学費が高くなる傾向があります。一般的には以下のような費用が発生します。
- 入学金:私立の場合は数万円~数十万円
- 授業料:1年間で数十万円~場合によっては100万円を超えることも
- 諸経費:施設維持費、教材費、スクーリング費など
公立通信制高校は学費が比較的安価ですが、通学日数が少なく指導が限定的な場合もあります。一方、私立通信制やサポート校は高額になりがちですが、より手厚い指導やカウンセリングが受けられることが大きな魅力です。家計状況と相談しながら、必要なサポートに見合った費用かを見極めましょう。

進学や就職へのサポート体制
不登校特例校を選ぶ際、多くの保護者や生徒が気にするのが卒業後の進路です。大学進学を目指すのであれば、次の点に注目しましょう。
- 受験対策やカリキュラム:科目指導や模試の実施状況、個別対策があるか
- 講師の質:大学進学を熟知した講師や指導者がいるか
- 卒業生の合格実績:どのような大学・学部に入学しているか
- 指定校推薦や提携先:不登校特例校専用の推薦枠があるか
就職を目指す場合でも、ジョブトレーニングやインターンシップ制度を設けている学校は多いです。自分のやりたい仕事に合わせて、実践的な学びができるかどうかチェックすると良いでしょう。
オープンキャンパスや見学の活用法
実際に学校を検討するときには、オープンキャンパスや見学会を活用するのがおすすめです。
- 校内の雰囲気を掴む:教室の広さや設備、生徒同士の関わり方などを実際に見る
- 教員・スタッフとの相談:疑問点や不安な点を直接聞ける
- 在校生の声:実際に不登校を経験した生徒の話を聞くと、よりイメージが湧きやすい
- 体験授業:興味がある科目やサポートプログラムの雰囲気を掴む
学校のホームページだけでは分からない部分も多くあるため、実際の空気感や担当者の対応を確認することがとても重要です。
私立・通信制・サポート校系の一部事例
- N高・S高(学校法人角川ドワンゴ学園)
- 「不登校支援」や「オンライン学習」を特徴とする通信制高校。文科省の特例制度を活用している部分もあり、地方自治体との連携クラスを持つケースも。
- クラーク記念国際高等学校
- 全日型・通信型・オンライン型など多彩なコースを展開し、不登校生徒の受け入れに積極的。自治体と提携した「特例的カリキュラム」を行っている地域キャンパスもある。
- 第一学院高等学校
- 不登校支援に注力する通信制・サポート校。地域ごとに特例的なクラスや少人数制コースを設置している可能性あり。
- 屋久島おおぞら高等学校(旧: 屋久島スクーリングなどを特徴とする学校)
- フリースクール的要素も含めた体験学習を重視し、不登校からの復学コースを設置。
- 安田学園高等学校(通信制コース)
- 地域によっては不登校生徒受け入れ枠を設置し、サポート校機能と連携して学習支援に特化。
不登校特例校 一覧と選び方のポイントのまとめ
- 不登校特例校 一覧で候補校をピックアップ
- 学校ごとの特徴やサポート体制を比較
- オープンキャンパスや見学に参加し、実際の雰囲気を体感
- 費用面・通学面・将来の進路など総合的に判断
現在、全国に35校の「不登校特例校(学びの多様化学校)」が設置されていますが、まだ1校もない県も存在しています。文部科学省は、今後300校まで増やす施策を進めていますが、それが実現する頃には現在の不登校の子どもたちが成人してしまうでしょう。
幸い、我が家ではネット環境を整え、オンライン学習などを活用できる環境を作っていますが、不登校に悩んでいるすべての子どもたちが同じようにできるわけではありません。
だからこそ、より多くの地域に不登校特例校が設置され、どの家庭の子どもでも多様な学びの場を選べる社会になってほしいと願っています。