不登校の子どもが毎朝「学校に行けない」とつらそうにしている姿を見て、どうにかしてあげたいけれど、無理に登校させるのも違うよな…と暴れる我が子を登校させるのは限界…と悩んでいる保護者の方も多いかなと思います。そんな中で、最近よく耳にするのが、メタバース空間を使ったメタバース登校やvrchatを使った居場所づくりです。
とはいえ、実際に不登校とvrchatを組み合わせた学び方や居場所づくりと聞くと、「遊びみたいなものでは?」「出席扱いになるの?」「通信制高校との違いは?」「始め方ややり方がよく分からない」といった不安や疑問がたくさん出てくると思います。さらに、メタバース登校のメリットとデメリットも、できれば事前にきちんと知っておきたいところですよね。
私自身、我が子が不登校になってからvrchatを使ったオンラインの場にお世話になり始めて、もう3年ほどになります。今も気分により画面越しに声を出して話すことは難しい日もありますが、チャットでなら安心して会話ができていて、「ここなら自分のペースでいられる」と感じられる居場所ができました。この記事では、そんな保護者としての実体験も交えながら、不登校とvrchatをめぐる最新の状況や始め方を、できるだけ分かりやすくお伝えしていきます。
- 不登校の子どもにとってのvrchatとメタバース登校の特徴
- 出席扱いの仕組みと通信制高校との違い
- vrchat支援の始め方と安全に使うためのポイント
- メリットとデメリットをふまえた家庭での関わり方

不登校とvrchatの新しい支援
ここでは、なぜ不登校の子どもにとってvrchatというメタバース空間が有効な支援になり得るのか、実際にどんな形で出席扱いと結びついているのか、そして「遊び」ではなく支援として機能させるポイントを、親目線で整理していきます。
出席扱いの仕組みと支援の流れ
まず一番気になるのが、「vrchatでの活動は出席扱いになるの?」というところかなと思います。結論から言うと、子どもが家で勝手にvrchatに入っているだけでは出席扱いにはなりません。ただ、学校と連携した支援団体やオンラインプログラムを通して使うことで、条件を満たせば出席扱いになる可能性があります。
一般的には、学校長の判断のもとで、ICTを活用した学習活動が「学校での学びと同じように評価できる」と認められるときに、指導要録上の出席扱いにできるという考え方がとられています。具体的には、支援団体やフリースクールが、vrchat上の教室や居場所を運営し、その中で学習サポートや面談、レポート提出などの活動が行われます。そして、その活動記録をもとに、学校側が出席扱いにするかどうかを判断していきます。
うちの子の場合も、まずは学校の担任とスクールカウンセラーの先生に、「こういうvrchatを使った場に参加している」と伝えるところからスタートしました。その上で、校長先生とも情報を共有してくれて、「この日はプログラムに参加していました」という記録を見ながら、出席扱いとして認めてもらえる可能性があるということでしたが…私の場合は教育委員会の方で認めていない為、認められない。という結果でした。
大まかな流れは、支援先との出会い → 学校への共有 → 活動記録の蓄積 → 出席扱いの相談というステップになることが多いです。
※出席扱いの条件や手続きは自治体や学校によって細かい運用が違います。ここでお伝えした内容はあくまで一般的な目安なので、最終的な判断は必ず在籍校と相談し、正確な情報は文部科学省や自治体・学校の公式サイトをご確認ください。
居場所づくりに役立つvrchat活用法
学校での出席扱いにはなりませんでしたが、私がいちばんありがたく感じているのが、「居場所」としてのvrchatの存在です。不登校になると、家が安全な場所である一方で、世界がとても狭く感じられてしまうことがありますよね。友達とも会えないし、新しい人間関係をつくる機会もかなり少なくなります。
vrchatでは、子どもは自分の分身となるアバターを使って、仮想空間の教室や広場に参加します。生身の姿や部屋の様子を見られないので、「人の目がこわい」という子にとっては、それだけでハードルがぐっと下がることが多いです。うちの子も、顔を見せなくていい安心感があるからか、リアルではできなかった雑談やゲームに少しずつ参加できるようになりました。
居場所としてvrchatを活用するポイントは、「ただ自由に遊ばせる」のではなく、「安心できる大人がいる、少人数の場」を選ぶことだと感じています。運営スタッフさんが常にオンラインで見守ってくれていたり、参加メンバーがある程度固定されていたりすると、子どもも安心しやすいですし、困ったときにすぐ相談できる環境が整います。
たとえば、初回は子どもはマイクオフ・チャットのみ、親は画面の横で見守りながら参加する、という形から始めるご家庭も多いです。いきなり子どもだけに任せるのではなく、親子で「どんな場なのか」を一緒に確認していけると安心かなと思います。
こうした居場所づくりは、直接の学習支援とは少し違うかもしれませんが、子どもの自己肯定感や「ここにいていいんだ」という感覚を育てるうえで、とても大切な土台になると感じています。特に、声を出す事が出来ないお子様も私の「想像以上にいたのでこちらとしても(すみません)と感じることも少なく安心して参加できる環境でした。

メタバース登校の可能性と特徴
不登校とvrchatの組み合わせは、「メタバース登校」という新しい形としても注目されています。メタバース登校と言うと少し難しそうに聞こえますが、イメージとしては、オンラインの教室が三次元の仮想空間に移ったものと考えると分かりやすいかもしれません。
従来のオンライン授業との違いは、教室のような空間にアバターとして「その場にいる」感覚があることです。黒板の前に立つ先生の近くに移動したり、クラスメイトの机のそばに座ったり、グループごとに別の部屋に移動したりといったことが、視覚的な体験としてできるのがメタバース登校の大きな特徴です。
また、対面の学校と違って、その日の体調や気持ちに合わせて「今日は見学だけ」「今日はチャットだけ」など、参加のレベルを細かく調整しやすいのもメリットです。うちの子も、調子が悪い日はワールドの隅の方でこっそり様子を見ているだけのこともありますが、それでも「つながっている感覚」はあるようで、完全に一人きりで過ごすよりも表情が穏やかになっていると感じます。
一方で、メタバース登校がどこまで「学校教育の代わり」となるのかは、まだ発展途上の部分もあります。全ての教科をメタバースだけで完結させるのは現実的ではない場合もありますし、実技や対面での体験が大切な場面も当然あります。「完全な代替」ではなく、今の状況の中で子どもにとってベストな組み合わせを一緒に探すツールとして捉えておくとよいかなと感じています。
メタバース登校の位置づけや制度面は、今後も少しずつ変わっていく可能性があります。正確な情報は必ず公式の発表や学校からの案内を確認し、最終的な判断は学校や専門家と相談しながら進めてくださいね。
通信制高校との連携で広がる選択肢
中学生・高校生の不登校では、「この先どうやって高校に行くのか」「通信制高校の方が合っているのかも」といった進路の悩みがつきものですよね。最近は、通信制高校やサポート校の中にも、メタバース空間やvr機器を活用した授業や行事を取り入れている学校が増えています。
たとえば、入学式やホームルームをオンラインの3D空間で行ったり、バーチャルキャンパスに集まってクラスメイトと交流できる仕組みを作っている学校もあります。こうした環境は、もともとvrchatでアバターの世界に慣れている子どもにとっては、かなり馴染みやすい選択肢になることがあります。
通信制高校自体の向き・不向きや、具体的な学校選びのポイントについては、同じサイト内の通信制高校はやめとけ?知恵袋の声と親子の本音を徹底解説でとても丁寧に整理されています。vrchatのようなメタバース環境と通信制高校をどう組み合わせていくかを考えるときの参考にもなると思います。
大事なのは、「不登校だから通信制一択」ではなく、「子どもの特性や希望に合う選択肢のひとつとして通信制やメタバース登校を検討する」という視点かなと感じています。
どの進路を選ぶにしても、入学前の個別相談や体験会で、「不登校経験がある子の受け入れ実績」や「オンラインやメタバースでのサポート体制」について、遠慮なく具体的に質問してみることをおすすめします。
始め方を理解するための基本手順
ここからは、「興味はあるけれど、何から始めたらいいか分からない」という方に向けて、vrchatを使った不登校支援に参加するためのおおまかな手順をまとめてみます。細かい部分は団体ごとに違いますが、大きな流れはだいたい共通しています。
1. 情報収集と無料相談・体験会への参加
まずは、「不登校」「メタバース登校」「vrchat」などのキーワードで検索し、信頼できそうな団体や自治体のプログラムを探してみましょう。ホームページでスタッフの顔や経歴が載っているか、活動内容が具体的に紹介されているかなども、安心材料のひとつになります。
多くの団体が、オンライン説明会や無料体験会を用意しています。最初は親だけが参加して話を聞き、雰囲気が良さそうだと感じたら、次の回で子どもと一緒に参加する、というステップもおすすめです。
2. 必要な機材とアカウントの準備
vrchatは、VRゴーグルがなくても、普通のパソコン(デスクトップモード)で利用できます。とはいえ、ある程度のスペックが必要になる場合もあるので、事前に団体側が出している推奨環境を確認しておくと安心です。
また、vrchatには利用年齢の目安がありますし、アカウント作成の際には規約をよく読み、保護者が一緒に設定を進めることを強くおすすめします。未成年の場合は必ず保護者がパスワード管理を行い、トラブル発生時にすぐ対応できるようにしておきましょう。
3. 最初は「見学・チャットだけ」でもOKと伝える
いきなり「話しておいでね」と言われると、子どもはかなりハードルが高いですよね。私は最初からスタッフさんに、「うちの子はマイクオフでチャット参加が限界かもしれません」と伝えました。それでも、「大丈夫ですよ、無言参加の子もいます」と受け止めてもらえたことで、子どもも「自分のペースでいていいんだ」と分かったようです。
始め方で大切なのは、「できること」から始めて、少しずつステップを上げていくことです。ログインして場にいるだけの日があっても、それは立派な一歩です。
機材や費用については、それぞれの家庭の状況によって事情が大きく変わります。ここでの説明はあくまで一般的な目安なので、実際に導入を検討する際は、必ず各サービスの公式サイトで最新情報を確認し、必要に応じて専門家にも相談していただければと思います。

不登校とvrchat活用の実践
後半では、実際に不登校とvrchatを組み合わせて支援を続けてきた中で感じたメリット・デメリット、安全に使うための工夫、学校との連携のポイント、そしてコミュニティ選びのコツなどを、できるだけ具体的にお伝えしていきます。
メリットを生かした学びの設計
不登校とvrchatを組み合わせる大きなメリットのひとつは、「子どもの得意なスタイルを生かしやすいこと」です。うちの子のように、ボイスチャットは難しくてもテキストでならコミュニケーションが取りやすい子もいますし、逆に文字は苦手だけれどアバターで身振り手振りをつけると話せるようになる子もいます。
また、「顔を見られない安心感」と「場に同席している感覚」の両方を得られるのも、vrchatならではのポイントです。教室に入るまでの道のりや、教室に入った瞬間の緊張感がない分、心のエネルギーの消耗が少なくて済む子も多いように感じます。
学びの設計で意識したいのは、「目標を低く細かく設定すること」です。たとえば、
- 今日はログインして10分だけいる
- 次はスタッフさんにチャットで「こんにちは」と打ってみる
- 慣れてきたら、簡単なクイズやゲームに参加してみる
といった具合に、段階を小さく区切ることで、「できた」が積み重なりやすくなります。
学習面についても、最初から「学校の授業と同じレベル」を目指す必要はありません。子どもの興味に合わせたミニ授業や、宿題の分からないところだけを一緒にやってもらうところから始めて、「分かる」「質問していいんだ」という感覚を取り戻していくことが、大きな一歩になると感じています。
デメリット対策と安全な利用法
もちろん、vrchatにはデメリットや注意点もあります。よく挙げられるのが、VR酔い・長時間利用による体への負担、現実逃避のリスク、そしてインターネット上ならではのトラブルです。ここをきちんと理解して対策しておくことが、とても大切だと感じています。
1. 利用時間と体調管理
VRゴーグルを使う場合は特に、長時間の利用で目や体への負担が出やすくなります。最初は「1回30分まで」など、家庭内でルールを決めておくと安心です。途中で気分が悪くなったり、頭痛が出てきたりした場合は、すぐにやめて休むよう子どもと共有しておきましょう。
2. Publicワールドではなく、安心できる場へ
vrchatには、誰でも自由に出入りできるPublicワールドと、招待制のPrivateインスタンスがあります。Publicワールドには、年齢も背景もさまざまな人が集まるので、不適切な発言や行動に遭遇するリスクもゼロではありません。
不登校の支援として使う場合は、基本的に支援団体が主催するクローズドな場に限定するのがおすすめです。知らない人が勝手に入ってこないように設定されたワールドであれば、スタッフさんが中心になって安全を守りやすくなります。
3. 家族でのルールづくりと振り返り
vrchatのデメリットとして、「現実の課題から完全に目をそらしてしまうのでは」という心配もあります。私自身は、「学校に行く・行かない」と「vrchatに参加する・しない」を、白黒で結びつけないことを意識しています。
たとえば、「今日は学校に行けなかったけれど、夜のプログラムには参加できたね」「昨日はちょっと疲れていたから、お休みして正解だったね」というように、その日の選択を一緒に振り返りながら、子ども自身が自分の体調や気持ちを言葉にできるようにサポートしていきます。
ここでお伝えしている安全対策は、あくまで一例です。お子さんの健康状態や発達特性によって注意すべきポイントは変わってきますので、必要に応じて主治医や専門家にも相談しながらルール作りを進めていただけたらと思います。

出席扱いを得るための実務ポイント
出席扱いを意識してvrchatを活用する場合、「学校側にどう伝えるか」「何を記録しておくか」がとても重要になってきます。ここでは、私が実際にやってみて効果があったと感じるポイントをいくつかまとめます。
1. 学校とのコミュニケーションをこまめに
まず、支援プログラムへの参加を決めたら、早めに学校側に共有することをおすすめします。担任の先生や学年主任の先生、必要であればスクールカウンセラーの先生にも、「こういうプログラムに参加していて、こういう様子です」と定期的に伝えるようにすると、お互いの認識のズレが少なくなります。
2. 活動記録を残す
参加した日や時間、どんな活動をしたのかを、簡単でいいのでメモしておくと、後から学校と話し合うときにとても役立ちます。団体側がレポートをまとめてくれる場合もありますが、家庭側でのメモもあると、子どもの変化を振り返る材料になります。
3. 制度面を理解する
高校のオンライン授業の出席扱いについては、同じサイト内の記事高校オンライン授業 出席扱い 文部科学省による制度改正とはで詳しく解説されています。vrchatのようなメタバースを使う場合も、基本的な考え方は「学校長が教育的な効果を認めるかどうか」が軸になることが多いです。
ここでご紹介している内容は、あくまで一般的な情報の整理です。実際の出席扱いの可否や手続きは学校によって違いますので、最終的な判断は必ず在籍校と相談し、最新の制度変更については公式情報を確認してくださいね。
居場所としてのコミュニティ選び
vrchatの支援で意外と重要なのが、「どのコミュニティを選ぶか」という部分です。同じメタバース登校・不登校支援を名乗っていても、雰囲気や方針は団体によってかなり違います。
1. 子どもとの相性を最優先に
保護者としては「勉強も見てほしい」「出席扱いにもつなげたい」と欲張りたくなりますが、いちばん大事なのは「子どもが安心していられる場かどうか」だと感じています。スタッフさんの話し方や、他の参加者の雰囲気、ルールの厳しさなど、子ども自身の感覚も聞きながら、一緒に選んでいけるといいですね。
2. 家庭の方針と合っているか
たとえば、「将来的にはゆっくりでも学校に戻る方向を目指したい」のか、「在宅や通信制をベースに、その子らしい学び方を探したい」のかによっても、選ぶコミュニティは変わってきます。団体側も、得意としているサポートのスタイルがありますので、説明会や個別相談でしっかり確認しておきましょう。
3. 他の支援との組み合わせ
vrchatのコミュニティだけで全てを完結させようとせず、不登校90日以上の進級や単位の不安を解消する方法のような情報も参考にしながら、家庭・学校・医療・カウンセリングなど、他の支援とどう組み合わせていくかを考えていくのも大切です。
コミュニティ選びで迷ったときは、「子どもの表情がどう変わっているか」「終わった後の疲れ具合や安心感」を見るのが、私は一番の判断材料になると感じています。
不登校とvrchatで描く未来のまとめ
不登校とvrchatという組み合わせは、まだ新しい取り組みで、正直なところ「これが完全な正解です」と言い切れるものではないと思っています。それでも、我が家にとっては、「学校に行けない子どもにも、安心してつながれる居場所があるんだ」と実感させてくれた大切なツールです。
vrchatを使うことで、子どもはアバターの姿で「自分らしくいられる場所」を見つけ、少しずつ人との関わりを取り戻していけました。一方で、出席扱いの制度やオンライン授業、通信制高校など、選択肢の幅も確実に広がってきています。
これからも制度や技術は変わっていくはずです。だからこそ、私たち保護者にできるのは、最新情報をキャッチしつつ、「今のわが子にとって無理のない一歩」を一緒に探し続けることなのかなと思います。
費用面や健康面、将来の進路など、不安は尽きないですよね。この記事でお伝えした内容は、あくまで一人の親としての経験と、一般的な情報の整理に過ぎません。正確な情報は各機関や学校の公式サイトをご確認のうえ、最終的な判断は医療・教育などの専門家とも相談しながら、あなたとお子さんにとって一番納得できる道を選んでいただけたら嬉しいです。
不登校とvrchatをめぐる選択は、どれも「こうしておけば正解」というものではありません。ただ、あなたとお子さんが少しでも楽に息ができる時間が増えるように、この記事がそのヒントのひとつになれば、とても心強く感じます。
