ネットショッピングや情報収集が日常化している今、誰しも一度は怪しいサイトにアクセスしてしまった経験があるのではないでしょうか。
特に「格安」「限定セール」などの魅力的なワードで誘導してくる詐欺サイトは年々巧妙化しており、見た目だけでは見抜けないケースも増えています。
「注文したのに商品が届かない」「個人情報を入力したら後日スパムが届くようになった」など、被害報告も後を絶ちません。
この記事では、詐欺サイトの見分け方を具体的に、実例とともに分かりやすく解説していきます。
後半では、実際に詐欺被害に遭った方が共有している貴重な注意点や対応方法についてもまとめていますので、ネット通販を利用するすべての人に読んでいただきたい内容です。

詐欺サイトとは何か?まずは基本をおさえよう
詐欺サイトとは、見た目は正規のサイトに見せかけながら、実際には商品が届かない、あるいは個人情報や金銭をだまし取ることを目的とした悪質なウェブサイトです。
そのデザインや構成は有名なECサイトと見分けがつかないほど精巧であることも多く、うっかり信用してしまうのも無理はありません。
たとえば、人気のスニーカーや最新家電が「80%OFF」「在庫処分」「限定セール」などと大きく掲げられていると、つい興味を引かれてしまいます。
しかし、その実態は存在しない商品や盗用された画像で構成されたページであり、購入しても商品は送られてきません。
詐欺サイトの主な種類と特徴的な手口
詐欺サイトには複数のタイプがあります。ここでは代表的な4つのタイプを紹介します。
1. 偽ショッピングサイト
もっとも多く見られるのが、偽のショッピングサイトです。見た目は楽天やAmazonにそっくりですが、実際には存在しない商品を掲載し、支払いだけをさせて連絡を絶つという手口です。
特徴としては以下のような点が挙げられます。
- 価格が極端に安い(市場価格の50%以下)
- 「閉店セール」「タイムセール」など、時間を煽る表現
- 支払方法が「銀行振込のみ」
- 口座名義が個人名、特に外国人名(例:Nguyen Van Anh など)
たとえば、「ナイキのスニーカー正規品・未使用品 1,980円(送料込)」というページがあったとします。一見お得ですが、こうした価格帯はあり得ません。
2. フィッシング詐欺サイト
銀行、クレジットカード会社、大手ショッピングモールなどを装った偽ページでログイン情報を盗むタイプの詐欺です。
「お客様のアカウントに異常がありました」「ログインを再確認してください」といったメールで誘導されることが多く、メールに貼られたリンクをクリックすると、本物そっくりのログインページが表示されます。
例として、楽天市場からのように見せかけたメールに記載されたリンク先が「rakuten-support.shop」などの不審なドメインであるケースが報告されています。
3. SNS広告型詐欺サイト
InstagramやFacebook、YouTubeなどのSNS上に表示される「格安商品」の広告をクリックすると誘導されるタイプです。
近年急増しており、ストーリー広告やリール動画形式で流れてくるケースもあります。
たとえば、TikTokのストーリー広告で「MacBookが9,800円、在庫一掃セール」と出ていたら要注意です。販売元のURLが「example.best」や「sale.store」などになっていることが多く、これも詐欺のサインです。
4. 無断転載・画像盗用型
他のサイトから商品画像や説明文を丸ごとコピーして構成されたサイトです。
オークションサイトやフリマアプリに掲載された個人の出品写真をそのまま無断使用していることもあり、明らかに情報の信頼性が低いことが分かります。

詐欺サイトに使われやすい危険なURLやメールドメインの特徴
詐欺サイトには、特定の文字列やドメインが頻繁に使われる傾向があります。以下は実際に詐欺サイトに多く使われているとされるスペル一覧です。
危険なスペル一覧(URLやメールアドレスに注意)
- xyz
- shop
- top
- icu
- site
- online
- org
- bar
- vip
- best
- fit
- one
- work
- mom
- biz
- buzz
- fun
- space
- live
- cyou
- ink
- cfd
- life
- store
- cc
- co
- cloud
- website
- cam
- click
たとえば、「example.xyz」や「sale.best」といったURLは、正規の企業サイトではほぼ使用されません。
また、メールアドレスが「info@shopping.shop」などになっている場合も危険です。
このようなスペルが含まれていたら、まずは疑う姿勢を持つことが大切です。

詐欺サイトに共通する具体的な見分け方と判断ポイント
詐欺サイトかどうかを見分けるための具体的なチェックリストを紹介します。以下のいずれかに当てはまる場合は、購入を控えるべきです。
代表的な詐欺の兆候
- Yahoo!知恵袋にURLを貼ろうとすると「不正なワードが含まれています」と表示される
- 「代引きOK」と書いてあるのに、実際は銀行振込を強要される
- 商品名で検索しても、そのショップ名が他サイトに一切出てこない
- 商品ページに「らくらくメルカリ便」「ゆうゆうメルカリ便」の記載(個人出品を模している)
- 極端に安い価格で人気商品が売られている(例:iPhone 14が9,999円など)
- 支払い口座が企業名義ではなく個人名(とくに外国人名)
たとえば、ある読者が実際に見つけた詐欺サイトでは、「閉店セール 本日限り」や「在庫処分で90%オフ」などと強調されていましたが、振込先はベトナム系の個人口座で、もちろん商品は届きませんでした。
被害に遭った場合の対応とよくある質問
万が一、詐欺サイトで商品を購入してしまった場合の対応について、よくある質問形式でまとめます。
よくある質問と回答
Q. 商品を購入してしまいました。今後どうしたらいいですか?
A. 基本的には「無視」。連絡を取ることでさらに情報を抜かれるリスクがあります。
Q. 商品は届きますか?
A. 届きません。そもそも商品自体が存在していないか、発送の意思は最初からありません。
Q. 自宅に何か届いたり、請求が来たりしますか?
A. 送られてくることは基本的にありません。ただし、入力した個人情報が悪用される可能性はあります。
Q. クレジットカードで支払ってしまいました。どうすれば?
A. すぐにカード会社に連絡し、利用停止・再発行の手続きを取ってください。
Q. 名前や住所を登録してしまいました。大丈夫でしょうか?
A. 残念ながら、すでに渡った情報は取り戻せません。今後の不審な連絡やDMに注意してください。
Q. 警察に相談すべき?
A. 可能ですが、個別対応が難しく、返金にはつながらないことがほとんどです。

ネットショッピングで自分を守るための心構えと注意点
詐欺サイトを避けるためには、冷静さと情報収集が何よりも大切です。以下の行動を習慣づけることで、被害のリスクを大きく下げることができます。
これから気をつけるべき具体的行動
- その店をネットで検索して評価や口コミを確認する
- 極端に安い価格を見たら疑ってかかる
- 勢いで購入ボタンを押さない
- 怪しい広告はクリックしない
- 支払い方法に「代引き可」と書かれていても過信しない
- 「レビューがあるから大丈夫」という思い込みを捨てる
- 「後からキャンセルできるから」などの油断をしない
たとえば、私自身も一度、Instagramの広告で格安のガジェットを見かけ、危うく購入しかけたことがあります。
しかし、ショップ名を検索してもまったく情報が出てこなかったため、踏みとどまりました。このように、「調べる」という行為が最大の防御策になるのです。
ちなみにその時のドメインは .click でした。また、メールアドレスを見るとショップ名と全く関係のない文字で構成されていたため、99%の確率で詐欺だなと思いすぐに閉じました。
詐欺サイトの見分け方と注意点|騙されないための具体的チェックリストまとめ
詐欺サイトは、巧妙にユーザーの油断を突いてきます。しかし、見分けるための「視点」を持てば、ほとんどのケースで防ぐことが可能です。
ポイントは以下のとおりです。
- 不審なドメインやスペルに注意する
- 極端な価格やあおり文句に流されない
- SNSや広告経由のサイトは特に慎重に
- 支払い情報の入力前に、企業情報や振込先を必ず確認
- 少しでも不安があれば「調べる」「買わない」を徹底
ネットショッピングの利便性を安全に享受するためにも、これらのチェックポイントを常に意識し、冷静な判断を心がけましょう。