今回は「GHQ(ジーエイチキュー)に消された言葉」というお話を、小学生のみなさんにもわかるようにやさしく紹介します。

GHQってなんだろう?
GHQとは、第二次世界大戦がおわったあとに、日本をしばらく管理(かんり)していたアメリカを中心とした「連合国軍(れんごうこくぐん)」のことです。
戦争(せんそう)にまけた日本は、1945年から1952年ごろまでこのGHQの言うことをきかなければなりませんでした。
そのときに、日本人が大切にしてきた考え方や言葉のいくつかが「これは危ない」「戦争をおこしそう」とGHQによって禁止(きんし)や制限(せいげん)されてしまった、と言われています。
たとえば、日本の昔ばなしや神話(しんわ)、神社(じんじゃ)をうやまう気もち、国のはじまりの物語などが学校で教えられなくなりました。これを「GHQに消された言葉」と表現する人もいます。
GHQに消された言葉ってどんなもの?
戦後(せんご)、日本が「もう二度と戦争をしない国」になるために、GHQはいろいろなルールをつくりました。その中で日本の文化や伝統(でんとう)、信仰(しんこう)にかかわる内容が、学校や日常生活の中で教えられなくなったと言われています。学校では教科書から削除する措置がとられました。 児童の手で墨を塗ったため、墨塗り教科書と呼ばれています。
日本の神話や祝祭日の意味
- 昔の学校では「神話(しんわ)」を学んでいた
たとえば、天照大御神(あまてらすおおみかみ)のおはなしや、日本がどうやってできたかを伝える物語などがありました。 - 戦後、GHQは「神さまを大切にする気もち」が戦争を起こす考えに結びつくかもしれないと思い、神話の勉強や祝祭日(しゅくさいじつ)の本当の由来が、授業で教えられなくなりました。
観光(かんこう)という言葉の深い意味
- 私たちが日常でつかう「観光」は、ふつう「旅行して楽しむこと」だと思いますよね。
- でも、もともとは「光(ひかり)を観(み)る」という意味で、ただ見物(けんぶつ)するのではなく、行った先で大切なことや学びを見つけるという深い考え方をふくんでいました。こうした言葉の元々の意味も、戦後は教えられずにきました。
信仰や祈りの習慣
- 日本には、神社やお寺で手を合わせたり、おまつりをしたりする伝統がありました。
- これらは自然(しぜん)に感謝したり、先人(せんじん)への想いをつたえたりする、むかしからの「大切にしてきた気もち」でした。
- GHQは、国をまとめる力が強い信仰がまた戦争を起こすかもと考え、一部の儀式(ぎしき)や教えを学校から取りのぞいてしまいました。
「愛(あい)」や「氣(き)」の考え方
- 日本では、自然や生きもの全部を大切に思う気もちを「愛」という言い方であらわしたり、体や心をはぐくむ氣「気」を大事にしたりしてきたとも言われます。
- しかし、戦後の社会はたくさんの外国文化が入ってきて、日本だけの言葉や感覚は、めずらしいものとして扱われ、きちんと教えられないままのことも多かったのです。
神社やお寺の本来の姿
- 「神社にはどうして鳥居(とりい)があるの?」
- 「お寺ではどうして鐘(かね)をならすの?」
こうした不思議やおもしろさには、本当は昔の人の知恵(ちえ)がたくさんつまっています。 - でも戦後は、神社やお寺が軍国主義(ぐんこくしゅぎ)を生み出すものと誤解され、しきたりや理由をじゅうぶん教えてもらえなかったのです。

どうして教えてもらえなかったの?
GHQが一番おそれたのは、「国が一つにまとまるとまた戦争をしはじめるかもしれない」ということでした。そこで、日本人の心のよりどころになっていた神話や信仰、伝統行事(でんとうぎょうじ)を「しばらくのあいだ教えないようにしよう」と考えたのです。
また、日本のみんなが昔の戦争をふりかえる時間をたっぷりとらず、経済(けいざい)の発展や新しい文化の広がりを急いだこともあって、いつのまにか大切な言葉や教えが忘れられてしまったとも言われています。
【まとめ】いま私たちにできること
「GHQに消された言葉」とは、戦後の日本で本当は大事だったのに教えられなくなった考え方や言葉のことを指します。神話や信仰をはじめ、古い行事や儀式にこめられた思いなど、多くのものがすっかり知られなくなってしまいました。
でも、今になって昔の言い伝えや伝統、神社やお寺の意味を見直す人がふえています。たとえば旅行のときに、ただ観光地を「見物」するだけでなく、そこにかくされた光(ひかり)や学びを探してみることで、「観光」の本当の楽しさを知ることができます。
ポイント
- 家族といっしょに神社やお寺へ行き、そこにある由来(ゆらい)やおはなしを聞いてみよう。
- 日本の古いおまつりや行事にかくされた理由を、インターネットや本で調べてみよう。
- おじいちゃん、おばあちゃんに、「むかしはどんなことをしていたの?」と聞いてみよう。
これらを知ると、私たちの生活(せいかつ)の中には先人たちの知恵がたくさんあるとわかります。そして、昔から大切にしてきた言葉の本当の意味も、少しずつ見えてくるかもしれません。
GHQに消された言葉は、実は私たちのまわりにかくれているかもしれません。これからは、自分から学ぼうとする力をつけて、学校で習わないことも見つけていきましょう。それが本当の日本らしさやいにしえの知恵をとりもどす第一歩になるはずです。