不登校4つの段階を解説|行き渋りから回復まで親の関わり方

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不登校の4つの段階と聞いて、「今、うちの子はどこなんだろう」と悩んでいませんか?
行き渋り、家にこもる日々、昼夜逆転やゲームばかりの生活……見ている親のほうが不安で苦しくなりますよね。

私の子どもも2人が不登校になり、先が見えない気持ちを何度も味わいました。
でも、不登校には“段階”があり、止まっているように見える時間にも意味があると知ってから、親としての向き合い方が大きく変わりました。

この記事では、不登校4つの段階を分かりやすく整理しながら、
「今どの時期なのか」「親はどう関わればいいのか」「焦らなくていい理由」を、経験者の目線でやさしく解説します。

今の不安が、少しでも軽くなりますように。

目次

不登校の4つの段階を全体像で理解する

不登校の行き渋り期・混乱期・慢性期・回復期という4つの段階を、できるだけシンプルに整理していきます。細かい名称やモデルはいろいろありますが、まずは全体像をつかむことが大事かなと思います。

そのうえで、不登校7段階や初期・中期・回復期といった他の考え方とも比較しながら、「今うちの子はどのあたり?」を一緒に確認していきましょう。

行き渋り期に見られる初期サイン

不登校のスタート地点として一番多いのが、この行き渋り期です。周りからは見えにくいストレスがたまっていることもよくあります。

朝になると頭痛や腹痛、吐き気を訴えたり、「なんか行きたくない」と曖昧な言い方をしたりします。夕方になるとケロッとしていたり、好きなことは普通にできるので、「やっぱりサボり?」と感じてしまう親御さんも多い時期です。

この時期の子どもの中では、学校への不安や疲れ、友人関係のストレス、先生との相性、授業のペースが合わないなど、いろんな要素がぐちゃっと混ざっていて、自分でも理由がよく分かっていないことがほとんどと言われています。

行き渋り期に注目したいポイント

  • 欠席が週1回程度から少しずつ増えてきている
  • 朝だけ体調不良が出るが、休日や放課後は元気なことが多い
  • 保健室登校や別室登校、遅刻・早退でなんとか学校にしがみついている

この段階で大切なのは、学校に行けるかどうかよりも、「しんどさを分かってくれる大人がいる」と子どもが感じられるかどうかです。無理に理由を聞き出そうとするより、「朝、つらいんだね」「話せるタイミングが来たら教えてね」と、こちらの姿勢だけを伝えるイメージのほうがうまくいきやすいようです。

小学生の場合、行き渋りの裏に、学年相応の人間関係や学習の難しさが隠れていることも多いので、より詳しく原因を整理したいときは、小学生の不登校の原因とその対処法も参考になると思います。

混乱期の心身症状と特徴

行き渋り期を経て、いよいよ本格的に学校に行けなくなる時期が混乱期です。欠席が続き、親も子も「これは不登校かもしれない」と自覚し始めるあたりですね。

この頃は、頭痛・腹痛・微熱・倦怠感、不眠や過眠、食欲の乱れ、昼夜逆転、ゲーム時間の急増、イライラや暴言、涙もろさなど、心身の不調が一気に表面化しやすくなります。強い自己否定や「自分はダメだ」「何もできない」という極端な言葉が増えることも多いです。

不登校の原因やタイプを冷静に整理したくても、このタイミングでは本人も親も、感情的なアップダウンが激しく、なかなか落ち着いて話し合う余裕がありません。「人間関係型か学習不振型か無気力型か」などの分類は、もう少し先でゆっくり考えるくらいで大丈夫です。

混乱期にやってしまいがちなNG対応

  • 「頑張れば行けるよ」「サボっているだけでしょ」と背中を押しすぎる
  • 「本当の理由を言いなさい」と問い詰めてしまう
  • 兄弟姉妹や周りの子と比較して、「あの子はちゃんと行ってるのに」と責める

この時期の子どもは、「学校に行きたい気持ち」と「もう無理という限界」の間で揺れ続けていて、自分でもどうしていいか分からない状態です。親ができるのは、問題を解決することではなく、「今は休んでいいよ」と休息にゴーサインを出すことだと感じています。

慢性期と安定期の過ごし方

混乱期を過ぎると、学校に行かない生活が日常になっていく「慢性期・安定期」に入っていきます。ぱっと見ると、家で穏やかに暮らせているように見えるので、「やっと落ち着いたかな」と感じるかもしれません。

ただ、実際の子どもの心の中には、「このままでいいのかな」「将来どうなるのかな」という不安がじわじわとたまり、深く考えすぎてしまうことが多いです。

慢性期・安定期にありがちな生活パターン

よくある行動親から見た印象子どもの内側の気持ち
昼過ぎまで寝ているだらけている、怠けているように見えるエネルギー切れで動きたくても動けない
ゲームや動画に長時間没頭遊んでばかり、現実逃避しているように見える何も考えずにいられる時間でやっと楽になれる
外出は最低限、引きこもりがち社会性が育たないのではと不安になる外の刺激にまだ耐えられないが、家では安心していたい

この時期のゲームや昼夜逆転は、もちろん完全放置でいいわけではありませんが、「サボり」ではなく「回復のための止まり方」の一つとして捉えるのがポイントだと感じています。いきなり規則正しい生活に戻すのではなく、「昼夜逆転を少しずつ前倒ししていく」「ゲームの前後に短時間だけ家事を手伝ってもらう」など、生活リズムをゆるく整えるイメージのほうが、子どもも抵抗感が少ないです。

親としては、先の見えない不安から「この状況がいつまで続くの?」と焦ってしまいますよね。その不安や焦りについては、不登校50日30日の不安を解消する親向けガイドのように、日数や制度面から整理してみると少し楽になることもあります。

回復期に起こる変化の兆候

慢性期・安定期が続くなかで、少しずつ変化の兆しが見えてくるのが回復期です。「ヒマ」「何かしたい」と言い始めたり、自分からネットで情報を調べたり、外出の機会が増えてきたりします。

不登校回復期のサインとしてよく言われるのは、生活リズムが少し整ってくる、心身の調子が安定してくる、興味や意欲が戻ってくる、他者と関わろうとする、学校や進路の話題に自分から触れる、といった変化です。

回復期にありがちな「ムズムズ期」「リハビリ期」

  • ムズムズ期:やる気はあるものの、行く行く詐欺・やるやる詐欺になりやすい
  • リハビリ期:興味のあることが少しずつ続けられ、将来について考え始める
  • 収束期:自分から外に出て活動を広げ、親が一歩引いて見守るフェーズ

このタイミングで、フリースクールや適応指導教室、放課後等デイサービスなど、家庭以外の安心できる居場所を検討し始めるご家庭も多いです。

大事なのは、一度動き出したからといって、毎日安定して動けるとは限らないという前提を親側がしっかり持っておくことです。3歩進んで2歩下がるような揺れは、不登校の回復過程ではむしろ普通かなと思います。

不登校7段階と4段階モデルの違い

ネットで調べていると、不登校4つの段階だけでなく、不登校7段階や初期・中期・回復期といった別の分け方もたくさん出てきますよね。「どれが正しいの?」と迷うかもしれませんが、結論から言うと、どれも公式な唯一の答えではありません。

4段階モデルは、行き渋り期・混乱期・慢性期・回復期という、大きな流れをざっくり押さえるのに向いています。一方、不登校7段階モデルは、回復の途中で起こるエネルギー補充期やエネルギー再活性期、リハビリ期などを細かく分けて説明しているのが特徴です。

私自身は、「子どもの心の流れをざっくり把握するには4段階、細かい揺れや行ったり来たりを理解するには7段階」というように、使い分けるイメージで捉えています。どのモデルも、「兆候期→本格期→休息・安定期→回復期」という大枠は共通しているので、お子さんの変化を観察しながら、「今はこのあたりかな」とラフに当てはめてみるくらいで十分です。

また、学校や支援機関によっては、初期・中期・回復期の3段階で説明しているところもあります。こうした違いは、「どこをより細かく説明したいか」の違いであって、あなたの子どもがどのモデルに合っているかで優劣が決まるものではありません。

大切なのは、モデルに子どもを当てはめることではなく、モデルを「地図」として使いながら、その子自身のペースを尊重することだと感じています。

不登校の4つの段階ごとの親の対応

不登校の4つの段階それぞれで、親がどんな関わり方を意識すると良いかをまとめていきます。「これが正解」というより、私が実際に試してきた中で、比較的うまくいきやすかったパターンを中心にお話ししていきますね。

うまくできない日があっても大丈夫です。親だって人間なので、感情が揺れるのは当たり前かなと思います。少しずつ、「昨日よりちょっと優しく声をかけられたかも」くらいのペースで一緒に歩いていきましょう。

不登校初期段階での親の関わり方

行き渋り期などの不登校の初期段階で、いちばん大事なのは、「休んでもいいよ」と言える雰囲気づくりだと感じています。ここで親が頑張りすぎて登校を強く求めると、子どもは「しんどい自分は受け入れてもらえない」と感じてしまい、その後の信頼関係に響きます。

私が意識していたのは、次のようなポイントです。

  • 朝の時点でつらそうなら、「今日は休もうか」と親から提案する日を作る
  • 理由を詰問せず、「朝になるとしんどいんだね」と感情だけを受け止める
  • 学校と連絡を取りつつ、別室や短時間登校などの柔軟な選択肢も聞いておく

子どもも、「みんなと同じようにできない自分」を責め「行きたくないなんて甘えだ」と自分を責めていることも多いので、親があえて「甘えていいよ」と伝えてあげるくらいでちょうどいいと後から感じました。

本格期に必要な休息と支援

混乱期に入って本格的な不登校になったとき、親が一番揺れるのがここだと思います。「このまま完全に学校から離れてしまうんじゃないか」「勉強が遅れてしまうのでは」と、不安が一気に押し寄せてきますよね。

ただ、この時期の子どもは、心身ともにフルマラソンを走り切ったあとくらいに疲れ切っているイメージです。まずは立ち止まって、何もしないで休む時間が絶対に必要だと私は感じています。

本格期に親ができることとしては、次のようなものがあります。

  • 「行けない自分でも家にいていい」と感じられるよう、責めない・励ましすぎない
  • 「いつでも味方だよ」と折に触れて伝え、話したくなるまで待つ
  • 医療・心理の専門機関への相談を視野に入れ、早めに情報収集を始める
  • 学校とのやり取り(担任との電話など)は、子どもには見せない

一方で、親自身も子供が不登校や行き渋りがあると「今までのように働けない」と悩む場面も増えてきます。そんなときは、不登校でパートを辞めるべきか迷う親の判断ポイントなどを通じて、仕事との両立の考え方も整理してみてください。

安定期の生活リズムとゲーム

不登校が安定期に入ると、どうしても気になってくるのが、生活リズムとゲーム・ネットの扱いです。「このまま昼夜逆転が定着したらどうしよう」「ゲーム依存になってしまわないか」と、不安になりますよね。

私の家でも、一時期は昼に起きて、夜中までゲームやプログラミングという生活が続きました。見ているこちらのほうがそわそわしてしまいましたが、完全に取り上げたり強く制限したりすると、親子関係に大きなひびが入ってしまいそうだったので、段階的に変えていく作戦を取りました。

安定期におすすめした「ゆるい工夫」

  • 朝昼夜の区別がつくよう、起きる時間よりも「寝る時間」を少しずつ前倒しする
  • ゲームの前後に「5分だけ家事を手伝う」「一緒に散歩に行く」など、短時間のタスクを挟む
  • 生活リズムについては週単位で振り返り、「先週よりちょっとだけ改善したらOK」とする

ゲームや動画は、子どもにとって「現実のつらさから一時的に離れられる避難所」でもあります。だからこそ、いきなり禁止するのではなく、「ゲーム+α」の小さな習慣を増やしていくほうが、結果的にエネルギーを回復しやすいと感じています。

回復期のサインと注意点

いよいよ回復期に入ると、親としても期待が一気に高まります。「ここまで頑張ってきたし、見守ってきたし、そろそろ学校に戻れるかも」と思ってしまうのは、自然な感情だと思います。

でも、不登校回復期の現実は、「2歩進んで1歩下がる」の繰り返しです。別室登校を数日続けたあとに、ぱったりまた行けなくなることもあります。

私が意識していた回復期のサインと、気をつけていたことは次の通りです。

  • サイン:起床時間が少し早くなる、朝の表情が柔らかくなる
  • サイン:外出の誘いへの反応が「いや無理」から「ちょっと考える」に変わる
  • サイン:オンライン学習などの情報を自分から調べ始める
  • 注意点:一度行けたからといって「今日も行けるはず」と期待値を一気に上げない
  • 注意点:うまくいかなかった日に「せっかくこの前は行けたのに」と言わない

不登校の4つの段階を理解するまとめ

不登校の4つの段階や不登校7段階のようなモデルは、どれも「子どもの心の動きを言葉にしてくれた地図」だと私は思っています。行き渋り期、混乱期、慢性期、回復期と聞くと、どうしても「今はどの段階で、いつになったら回復期に行けるのか」とゴールを急ぎたくなりますよね。

でも、実際のところ、不登校の回復は一直線ではありません。行き渋りに戻ったように見える日も、実は前より少しだけ自分の気持ちを言葉にできていたりします。親から見ると後退に見える動きも、子どもの内側ではちゃんと前進につながっていることが多いです。

あなたが一人で背負いこみすぎず、お子さんと一緒に長い目で歩んでいけますように。私も、同じように悩んできた親として、心からそう願っています。

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