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なぜ日本の学校ではお金の教育をしないのか?その理由と背景とは

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なぜ日本の学校ではお金を教えないのか?その理由と背景とは

私たちは「お金」を学ばずに大人になった・

「税金って、どこにどう使われてるの?」「年金って本当に返ってくるの?」こんな素朴な疑問を、誰かにちゃんと教えてもらった記憶がない。そう思ったことはありませんか?

大人になって仕事をし、給料をもらい、家族を支えながら暮らしていく中で、ようやく「お金の仕組み」の存在に気づき始める私たち。けれど、それはあまりに遅すぎるようにも思えるのです。

目次

なぜ「税金」や「お金」を学ばずに大人になったのか?

学校は「税」も「政治」も教えてくれない

国語、算数、理科、社会、英語。

一見、バランスの取れた教育内容に見えるかもしれませんが、実際には「暮らしに密接する知識」、特にお金に関する知識はほとんど扱われてきませんでした。

「税金の使い道」や「年金制度の仕組み」、「保険の選び方」などは、教科書に載っていてもごくわずか数行。しかもそれらは、“テストに出ない”からと軽く流されてしまうことがほとんどです。

GHQが塗りつぶした「問い」の教育

戦後、日本の教育制度はGHQによって大きく作り変えられました。そこには明確な意図がありました。

GHQは、軍国主義的思想を排除し、民主主義を根付かせるために教育内容を全面的に見直しました。しかしその一方で、「政治」「経済」「国の仕組み」に関する内容については、意図的に“距離を置かせる”方向に再編されていったのです。

黒塗りにされた教科書。削除された歴史的文脈。

結果として私たちは、国家と個人、税と生活の関係性を“考えさせられないように洗脳された”のでしょう。

「お金のことは知らなくていい」という呪い

「お金の話は下品だ」「子どもにはまだ早い」

日本では長らく、こうした価値観が根付いてきました。その裏には、“お金の知識を持たない方が管理しやすい”という国の構造も見え隠れします。

本来は生活に必要な知識であるはずの「金融リテラシー」が、“大人の話”として遠ざけられ続けてきた結果、私たちは社会に出てから戸惑うことになります。

あなたは誰のために働いていますか?

給料明細を見ればわかる「社会のルール」

会社からもらった給料明細を開いてみると、まず目に飛び込んでくるのは、数々の「控除」欄。

  • 所得税
  • 住民税
  • 厚生年金保険料
  • 健康保険料
  • 雇用保険料

額面から差し引かれた後の「手取り」は、思ったよりも少ない。

「えっ、こんなに引かれてるの?」と驚いた人も多いはず。

実質の負担率は50%超

実際、日本人の平均的な生活者の税・社会保険負担率は、

  • 所得税+住民税:約15%
  • 社会保険料:約15%
  • 消費税+その他間接税:約10〜15%

合計すると、手取りの半分近くが国や自治体に回っていることになります。

つまり、見方を変えると…家族のためと思って働いていた1年間のうち、1月から6月までの半年間は「自分と家族のため」ではなく、「国のために働いている」という計算です。

それを誰も教えてくれなかっただけ。

子どもに伝えたいのは「計算式」ではなく「構造」

なぜ税金の話を“家庭の会話”にしてこなかったのか?

「子どもにはまだ難しい」そう思って、お金や税金の話題を避けてきた家庭も多いかもしれません。

でも、子どもは意外とよく見ています。「なんでお父さんは朝早くから帰りが遅いの?」 「どうして欲しいものが買えないの?」

そんな疑問にこそ、税やお金の話を“生活に根付いたもの”として伝えるチャンスがあるのではないでしょうか。

「働く意味」を伝えるために必要な“問い”

「なぜ働くのか?」「そのお金はどこに消えるのか?」

それは、ただの計算問題ではなく、人生そのものの構造です。

  • どうすれば家族の幸せにつながるのか?
  • どうすれば不安を減らせるのか?

これが正解という答えのない問いを一緒に考えることが、「これからの教育」に必要なのだと思います。

日本人の金融教育はこれからどう変わるべきか?

「貯金だけ」から抜け出せない日本人

長年、「貯金は美徳」とされてきた日本。

でも、今の時代、それだけでは家計は守れません。物価は上がり、円の価値は相対的に下がり、年金制度も先行き不透明。

「お金の増やし方」「守り方」「使い方」まで含めた金融教育が、今こそ必要とされています。

世界では義務教育で“投資”も教えている

スウェーデンやアメリカ、オーストラリアなどでは、10歳前後から金融教育が始まります。

  • 株とは何か?
  • 税金とは誰のためにあるのか?
  • 住宅ローンをどう選ぶのか?

そんな話を“当たり前”に学ぶからこそ、社会参加の意識も高まり、投票率や納税意識にもつながっていくのではないでしょうか。

「知ること」は、守ることでもある

お金のことを知らないまま大人になった私たち。でも、これからの子どもたちには、同じ思いをしてほしくない。そう感じている親世代も多いはずです。

税金のこと、社会保障のこと、経済のこと。難しくてもいい。わからなくてもいい。

大切なのは「知ろうとすること」「問い続けること」。自分の人生を、他人任せにしないために。

“知らされてこなかった”ことを、今こそ私たちが“知り直す”ときなのかもしれません。

私たちへの問い

知識よりも「思考力」が求められる時代へ

今、あらゆる知識はAIやインターネットが瞬時に答えてくれる時代です。

年金の制度や税制の仕組みを正確に覚えるよりも、「なぜこうなっているのか?」「誰にとって得なのか?」と問い続ける力が、これからの時代に求められます。

AIは暗記の達人です。だからこそ、私たち人間は、“意味を問う力”や“視点を切り替える力”を育てる必要があるのです。

金融教育を“暮らしの会話”から始める

「為替が円高だとどうなるの?」「インフレってなんで起きるの?」

こうしたテーマも、日常の暮らしに紐づければ、意外と子どもにも伝わります。

  • 為替が円高になると、輸入品が安くなる=食卓の物価が変わる
  • 投資信託は「未来の自分にお金を預けている」という考え方

難しい理論ではなく、“暮らしの実感”として伝えることが、金融教育の第一歩です。

子どもと一緒に「世界経済を自分ごと化」する

「今日ニュースで見たアメリカの話が、うちの電気代に関係してるんだよ」

そんな風に、世界経済が“遠いこと”ではなく、“自分たちの暮らし”とつながっていると体感できると、子どもは面白がります。地球の裏側の戦争が、うちの冷蔵庫の中身に影響してくる─

そういう視点を持つことは、未来を生きるための「力」になるのではないでしょうか。

未来の子どもに必要なのは“自分で考え抜く力”

「みんながそうしてるから」「テレビで言ってたから」 それだけを判断基準にするのではなく、

  • 本当にそれでいいの?
  • 他に選択肢はないの?
  • 自分はどうしたいの?

そうした問いを持つことで、人生の舵を他人に任せず、自分で握る力が育っていきます。

AI時代の中で“人間として残る力”とは何か?

AIはすでに、医療診断、法律相談、株式予測までこなせる時代です。けれど、AIは「問い」を生み出すことや、「共感」「直感」「葛藤」を理解することができません。

だからこそ、人間に残された力とは──

  • 自分で考える力
  • 他人の痛みに想像力を持てる力
  • 不確実な中で選択をする力

それこそが、AI時代において人間であることの証明になるのではないでしょうか。たとえ全部は教えられなくても、「一緒に考えよう」と言える親でありたい。
それだけでも、子どもの学びは変わっていくと私は信じています。

関連リンク☟

📘 金融庁|中学生・高校生のためのお金の知識👈高校生のための金融リテラシー講座

OECD|世界の金融教育に関するガイドライン 👉OECD/INFE 金融教育のための国家戦略に関するハイレベル原則

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